チャットに任せる問い合わせを先に分ける
費用を比べる前に、いまのWeb問い合わせを3種類に分けると、必要なプランが見えやすくなります。資料で答えられる質問、人が例外を判断する相談、予約変更や注文照会など外部データが必要な手続きです。
一定期間の問い合わせから、内容別の件数、対応時間、繰り返し質問の割合を記録します。サイトの訪問数だけから利用人数を推測するより、実際の質問をもとにした方が予算を説明しやすくなります。
| 区分 | 記録する内容 | 費用への影響 |
|---|---|---|
| 定型案内 | 質問、正しい回答、根拠資料 | AI回答枠とFAQ整理の量 |
| 個別判断 | 判断する部署、受付時間、連絡方法 | 通知機能と残る人の作業 |
| 業務手続き | 必要なデータ、接続先、実行する操作 | 連携開発と保守の見積もり |
| 変更の多い情報 | 更新頻度、承認者、適用日 | 資料更新と再確認の作業 |
定型案内から始めるなら、業務システムとの連携費用は別枠にできます。人へ引き継ぐ相談は残るので、その対応時間も見積もります。
月額以外にかかる費用と社内の作業
見積もりを4つに分けると、初月の負担と毎月かかる費用を見比べやすくなります。
- 初回だけ:資料収集、FAQ整理、サイト設置、テスト。外注費と社内の作業時間を分けます。
- 毎月固定:サービス利用料、オプション、連携の保守費。
- 利用量・容量に応じて追加:回答枠の購入や、ボット数・資料容量を増やすためのプラン変更。
- 自社の作業:回答の承認、資料更新の連絡、有人返信、請求の点検。
社内作業を仮に月4時間、時間単価を3,000円と置くと、作業相当額は12,000円です。請求額や人件費の相場ではなく、社内で案を比べるための目安です。単価を決めにくければ、時間数のまま並べても構いません。
初月は資料集めと承認に時間がかかります。サイト制作会社に設置を依頼する費用も別に見積もり、年間予算は通常月・繁忙月の利用料と初回費用を合計します。社内作業は別列に残すと、支払額と担当者の負担を混同せずに済みます。
導入後も会話数や作業時間の仮定を残しておけば、費用が増えた理由を追い、プラン変更が必要かを判断できます。
問い合わせ件数とAI回答通数は別もの
PecoChatのようにAIの回答通数で料金が変わるサービスでは、問い合わせ件数と回答通数を分けて見積もります。1件の問い合わせでも、「営業時間は?」「予約は必要?」と会話が続けば、AIは複数回回答します。AI回答通数は想定会話数 × 1会話あたりのAI回答通数で仮置きし、試用や公開後の実測で置き換えます。人の返信などをどう数えるかはサービスごとに尋ねます。
PecoChatは、ライトが月9,800円・AI回答300通、スタンダードが月39,800円・2,000通、ビジネスが月129,800円・10,000通です。月額料金・追加料金ともに税込で、追加は100通2,000円です。標準プランの初期費用は0円、個別開発は別見積もりです。詳しくはPecoChat公式サイト(料金・機能)をご覧ください。
シナリオやフォームは、AI回答通数に含まれません。一方、学習データにない質問にAIが「回答できない」と返した場合も、1通を消費します。
- 月の基本枠:契約更新日にリセットされます。
- 追加枠:管理画面から、いつでも100通単位で手動購入できます。自動購入はなく、購入した枠は使い切るまで翌月以降に繰り越せます。
- 残数がなくなったとき:AIは回答できなくなりますが、シナリオは引き続き使えます。
回答枠に加え、資料容量、ボット数、通知や有人対応など必要な機能も照らし合わせます。ライトは自社で整備・設定するセルフサービスで、質問はメールで受け付けています。FAQ整理・設定・テスト・公開後の改善支援は、スタンダード以上の月額料金に含まれます。
サービスによっては、担当者の人数やAIが解決した件数を基準に課金します。各社の数え方は、3社の課金体系の比較で解説しています。
計算例:通常月と繁忙月で比べる
以下は、繰り越した追加枠がない月に、不足分を100通単位で購入する計算例です。金額はすべて税込で、オプション・開発費は含みません。
例1:月250会話、平均2通のAI回答
250会話 × 2通 = 500通。ライトの300通を超える200通に、追加枠を2個使います。9,800円 + 2,000円 × 2 = 月13,800円です。社内作業を3時間、時間単価を3,000円と仮定すると、作業相当額9,000円を足した比較額は22,800円になります。
平均が3通なら750通となり、不足する450通に対して500通を購入するため、その月は19,800円です。使わなかった追加枠50通は翌月以降へ繰り越せます。同じ250会話でも、やり取りの回数で費用が変わります。
例2:繁忙月に1,500会話、平均3通のAI回答
1,500会話 × 3通 = 4,500通。スタンダードの2,000通を超える2,500通に、追加枠を25個使います。39,800円 + 2,000円 × 25 = 月89,800円です。ビジネスの月129,800円より利用料は低い計算ですが、必要な機能・容量も合わせて比べます。
同じ仮定でスタンダードを月6,500通使うと、追加費90,000円を含め月129,800円になります。毎月この通数に近づくなら、ビジネスも候補に入れ、通常月と繁忙月の両方で検討できます。
アップグレードは即時に反映され、料金は日割りで計算されます。ダウングレードは次の契約更新日に反映されます。上の例は同じプランを1か月使う計算で、月途中の変更は含みません。
効果の見込み方と、契約前に聞くこと
削減時間は、AIの案内だけで済む問い合わせを対象に見積もります。定型質問が月120件、従来の対応が1件5分で、仮に半分で人の対応が不要になると、120件 × 50% × 5分 = 300分です。50%は説明用の仮定です。ここから新たに必要になる回答点検やFAQ更新の時間を引いて比べます。
夜間に利用方法を案内することや、窓口を探す手間を減らすことも導入の目的になります。一方、少数の個別相談が中心なら、FAQページの改善で足りる場合もあります。
- 支援:資料整理、テスト、公開後の修正を、どの量・頻度・期限で頼めるか。
- 分担:誰が回答を承認し、顧客へ返信するか。
- オプション:必要な機能の初回費・月額費・保守費はいくらか。
- 変更・終了:プラン変更の適用日、解約方法、履歴や資料の扱いはどうなるか。
相談には、普段の質問、現在の料金表や案内、通常月と繁忙月の件数、社内で使える時間を揃えると、現実的な見積もりを作れます。
よくある質問
Q1. 問い合わせが月300件ならライトの300通で足りますか?
件数だけでは判断できません。一つの問い合わせでAIが複数回答すれば通数は増えます。会話数と一会話あたりのAI回答通数を分けて見積もってください。
Q2. 月額料金だけで導入予算を決めてもよいですか?
追加利用、必要なオプションや連携費、社内の回答確認・更新・有人返信の作業を合わせて判断します。外注費と社内の作業相当額は分けて記録してください。
自社の問い合わせで、導入条件を確認する
普段の質問やお手元の資料をもとに、AIに任せる範囲と必要な準備・費用を確認できます。


