問い合わせの種類で、自動化する範囲を分けます。
固定案内は自動回答から始めやすく、注文情報は購入者本人の確認方法と参照先を決めてから扱います。返品・返金・キャンセルなど担当者の判断が必要な用件は、受付と完了を分けて人へ引き継ぎます。
問い合わせを3つに分ける
まず、相手によって内容が変わらない固定案内、購入者ごとに変わる注文情報、担当者の判断が必要な用件の3つに分けます。境界を先に決めると、自動回答する範囲と担当者へ渡す用件が明確になります。
| 種類 | 例 | 最初に決めること |
|---|---|---|
| 01固定案内 | 送料・支払い・商品仕様・返品条件 | 更新担当と案内先。自動回答から始めやすい。 |
| 02注文情報の確認 | 自分の注文・発送・追跡情報 | 購入者本人の確認方法と参照先。表示は必要最小限にする。 |
| 03担当者の判断 | 返品・返金・不良品・クレーム | 受付と完了を分け、必要なら人へ渡す。 |
LINE上の返信方法を選ぶ必要がある場合は、方式比較記事をご覧ください。
購入者本人の確認と注文・配送の参照先を決める
注文情報を表示する前に、LINEの利用者がその注文を確認してよい購入者本人かを確かめます。注文番号を受け取る場合でも、それだけで購入者本人と判断して注文内容や住所などを開示しません。LINEアカウントとECサイトの会員情報を結び付ける「アカウント連携」だけで十分かは、連携時の認証方法と表示する情報によって異なります。必要な確認ができない場合は注文情報を表示せず、購入元が案内する注文確認画面または公式窓口へ案内します。
注文情報を見せる条件を決める
- LINEの利用者とECサイトの会員情報を、どの方法で結び付け、どの注文まで見せるかを決める。
- 未連携、ログイン期限切れ、別の会員情報との誤連携、注文の不一致が起きたときの案内先を決める。
- 事故防止のため、カード番号、セキュリティコード、本人確認用のコード、住所全文は、通常のLINEトークで受け取ったり再表示したりしない。
- 自社の運用ルールとして、会話履歴、担当者通知、外部ツールに残す個人情報を必要最小限にし、閲覧権限と保存期間を決める。
LINE Developersのユーザーアカウントの連携は、LINEアカウントと自社サービスのアカウントを安全に結び付けるための公式仕様です。注文情報をどこまで表示するかは、連携時の認証方法と扱う情報に応じて自社で決めます。個人情報保護委員会の個人情報保護法ガイドライン(通則編)が示す安全管理措置と委託先の監督を確認したうえで、閲覧権限、保存期間、担当者通知に含める項目を運用ルールとして定めます。
注文・配送で参照する情報を決める
注文状況、倉庫からの出荷、配送中の状況ごとに参照先を分けます。異なる更新時刻の情報を混ぜず、いつ確認した情報かも伝えます。
- 注文・支払い・キャンセル:ECサイトの注文管理を参照する。
- 出荷・分割配送:倉庫・出荷管理または物流会社の記録を参照する。
- 配送中の追跡:配送会社の情報を参照し、到着予定と確定した配送結果を分ける。
- 情報が食い違うとき:更新時刻を示して回答を保留し、担当者が確認する。
通常と異なる注文を扱う
- 分割配送は、注文全体と荷物ごとの追跡を分けて表示する。
- 予約商品は、出荷予定と確定した出荷結果を混同しない。
- 配送先や受取日時の変更は、出荷前か配送会社への引き渡し後かで案内先が変わる。現在の出荷状況を確認し、変更できると断定せず、該当する窓口へ案内する。
- 配送遅延や情報の反映遅れでは、最終更新時刻と確認先を伝え、古い情報を現在の状況として案内しない。
返品・交換・キャンセル・返金の境界を決める
条件を案内すること、依頼を受け付けること、実際に完了することは別です。完了を確認するまでは「完了しました」と案内しません。
| 手続き | 案内・受付 | 完了の確認 |
|---|---|---|
| 返品・交換 | 条件・期限・必要情報・依頼の受付 | 商品状態・購入履歴・返送後の結果 |
| キャンセル | 条件・受付方法・依頼の受付 | 出荷前の判定・取消結果・支払いへの反映 |
| 返金 | 条件・時期・依頼の受付 | 可否・金額・支払い状況・返金結果 |
| 破損・不良品 | 必要情報・補償や交換の依頼 | 補償・交換・返金の判断と結果 |
同じ依頼を二重に処理しない仕組み
- 注文番号・手続きの種類・依頼を識別する番号を組み合わせ、同じ依頼は一度だけ実行する。
- 再送された依頼には、受付済み・確認中・完了など現在の状況を返し、もう一度キャンセルや返金を実行しない。
- 返品・返金・キャンセルの実行前に、人または社内で承認したシステムが、現在の注文・出荷・支払い状況を確認する。
人へ引き継ぐ条件を決める
担当者へ引き継ぐのは、AIが答えられないときだけではありません。購入者本人の確認、返品・返金などの判断、情報の不一致、緊急性を基準に、どの時点で人へ渡すかを決めます。
- 購入者本人と確認できない:未連携、誤連携、注文の不一致。
- 担当者の判断が必要:返品・返金・キャンセル、破損、不良品、クレーム。
- 情報が足りない・食い違う:更新が遅い、参照先の情報が一致しない、どの情報が正しいか判断できない。
- お客様が人との対応を求める:自動回答を止め、担当者の窓口と対応時間を案内する。
引き継ぎ時に渡す情報
質問内容、注文情報を確認できたか、購入者本人の確認結果、引き継ぐ理由、AIが案内した内容をまとめます。通知先へ不要な個人情報を送らず、必要最小限にします。
公開前テストと段階導入
公開前は、実際の問い合わせを使って「正しく案内できるか」「注文情報を見せてよい相手か」「同じ手続きを二重に実行しないか」「必要な場面で人へ渡せるか」を試します。合格した範囲だけを、固定案内から個別注文・手続きへ段階的に広げます。
| 場面 | 試すこと | 合格後の範囲 |
|---|---|---|
| 固定案内 | 送料、支払い、商品仕様、返品条件の答えと更新手順 | 確認済みの固定案内を自動回答する |
| 注文・配送 | 購入者本人の確認、誤連携、分割配送、予約商品、配送変更・遅延、ゲスト購入、モール注文 | 確認できた購入者・注文・情報だけを表示し、それ以外は担当者か購入元へ案内する |
| 返品・交換・キャンセル・返金 | 出荷直前の依頼、条件外の返品、同じ依頼の再送 | 条件案内と受付から始め、現在の状況確認と二重処理防止ができる手続きだけ連携する |
| 担当者への引き継ぎ | 答えられない質問、クレーム、本人確認の失敗、通知先へ渡す情報 | 必要な情報だけを付けて、担当者へ自動で引き継ぐ |
最初は固定案内と担当者への引き継ぎにとどめます。購入者本人の確認方法、情報の参照先、担当者の窓口、停止方法が決まったら注文・配送情報を追加し、最後に返品・交換・キャンセル・返金の手続き連携へ広げます。LINE公式アカウントとの接続や公開までの手順は、LINEにAIチャットボットを導入する方法で確認できます。
公開後に止める・直す基準
公開前テストに合格した後でも、実際の運用で次の問題が1件でも起きたら、該当する自動回答や手続き連携を止めます。
- 注文・配送状況を誤って案内した:該当する回答を止め、参照先と更新時刻の扱いを直す。
- 別の購入者の情報を表示した:注文情報の表示を止め、アカウント連携と購入者本人の確認方法を見直す。
- 同じ手続きを二重に実行した:手続き連携を止め、依頼を識別する番号と処理状況の確認方法を直す。
- LINEや担当者通知に不要な個人情報を出した:表示・通知を止め、項目、閲覧権限、保存範囲を見直す。
修正後は、問題が起きたケースを公開前テストへ追加し、再発しないことを確認してから再開します。
よくある質問
Amazonや楽天市場の注文もLINEで確認できますか?
Amazonや楽天市場などモール経由の注文をLINEで確認できるかは、購入経路と連携方法によって異なります。LINEの利用者と購入者の対応を確認できない場合は注文情報を表示せず、購入元が案内する注文確認画面または公式窓口へ案内します。
会員登録せずに購入した注文はどう扱いますか?
会員登録をせずに購入した注文は、ECサイトの会員情報と結び付いていません。注文番号だけで購入者本人と判断せず、安全な確認画面を利用できない場合は注文情報を表示しません。購入元の窓口または担当者へ引き継ぎます。
まとめ:固定案内から始め、確認が必要な用件は人へ渡す
EC問い合わせは、固定案内、購入者本人の確認が必要な注文情報、担当者の判断が必要な用件の3つに分けます。まず固定案内と人への引き継ぎから始め、注文情報の確認や返品・返金などの手続きは、安全に運用できることを確かめながら広げます。
自社のEC運用条件を整理して、対応範囲を確認する
PecoChat®︎(ペコチャット)で連携できるECサイト、参照できる注文・配送情報、返品・交換・キャンセル・返金を行える範囲は、利用環境と契約条件によって異なります。サービスページで対応範囲を、料金ページで正式な料金・支援範囲を確認してください。
相談前に整理しておくとよい情報:利用中のECサイト、月間問い合わせ件数、よくある質問、購入者本人の確認方法、担当者が対応する窓口
自社の運用条件に合う対応範囲を確認できます。

